日本財団 図書館


 

・Mランドに釣台および釣堀を設け、遊漁者の利便と漁協等の経済事業に貢献するものとする。
6−2 施設整備による効果予測
本養殖支援基地計画は、ホタテ養殖漁業などを中心に不足する係留施設・用地および漁港空間の拡充整備を沖合展開にて図るものである。さらには、その背後に創出される海域の多目的活用や、港湾空間の活用などによる相乗効果をも期待するものである。
以下には、これら副次的に期待される諸便益効果について試算を行って、今後の施設活用の参考となることを期した。
?漁場への距離の短縮による効果
・拠点をMランドに移転することにより、漁場までの距離が短縮され、時間と燃費の軽減が図れる。
?養殖環境条件の改善による効果
・拠点をMランドに移転することにより、畜養水面が確保でき、静穏度も向上する
・水深の深いところから海水摂水ができるため、降雨による塩分濃度低下、夏場の水温上昇の問題を解決できる。
・出荷調整水面の確保により、安定した出荷体制の維持、効率的出荷、保冷車待機料の軽減などが期待できる。
?作業空間の整備による効果
・養殖労働時間の短縮により、他の就業余裕(余暇等)が生み出される。
?活魚蓄養施設の整備による効果
・活魚出荷の増大による便益が図れる。
?養殖漁場の造成による便益
・クロソイの養殖及び飼い付け放流(増殖)、エラコの養殖、かきの養殖、ウニの増殖水揚による便益が図れる。
?ひらかれた海港空間の創出
・追直漁港地区におけるランドマークとなるとともに基部の新港地区における観光・レジャー機能と複合して、展望・海釣りなどの機能空間が創出され、にぎわいのあるひらかれた漁港として機能することが期待される。
以上の各事項に関し、1年当たりの便益額として試算した結果をTable-4に示す。

Table-4 Multiplier effects caused by M-Land construction

356-1.gif

7. おわりに
本構想および漁港計画を進めるに当たり、平成5・6年度の2ヶ年にわたって実施した追直漁港整備技術検討会などを通じて、学識経験者および関係所管の多大な協力を得て、追直漁港養殖支援基地(Mランド)計画として策定されたものである。ここに紙面をお借りして、これまでにご協力していただいた方々に深甚なる感謝を申し上げます。
参考文献
1)北海道開発局室蘭開発建設部室蘭港湾建設事務所:「平成5年度 追直漁港整備長期計画調査報告書」1994.3
2)北海道開発局室蘭開発建設部室蘭港湾建設事務所・(社)寒地港湾技術研究センター:「平成6年度追直漁港整備検討調査業務報告書」1995.3
3)北海道開発局室蘭開発建設部室蘭港湾建設事務所・(社)寒地港湾技術研究センター:「平成6年度追直漁港整備検討調査技術検討会報告書」1995.3

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION